神学校ライフまとめブログ

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奥深いキリスト教の歴史:フスト・ゴンザレス「キリスト教史下巻」読了

 

学ぶためにはまず歴史から。

 

名著と言われるフスト・ゴンザレスのキリスト教史下巻を読み終えました。 

370ページ、2段組の大著。読み始めたのは8月くらいから、少しずつ読み進めてようやく読み終えました。

中身は宗教改革から現代、つまり2度の大戦、冷戦を経た現代に至るまでを納めています。

著者のフスト・ゴンザレスは、名前から連想される通りラテンアメリカキューバ出身のプロテスタント神学者です。

神学者は基本欧米というかヨーロッパ、アメリカが基本線なのでとっても珍しい方です。

やはりと言いますか、ラテンアメリカの記述がとても詳細です。おそらくラテンアメリカキリスト教史に関する記述では、今日本で手に取れる著書の中ではトップではないかと思います。アメリカのキリスト教史も、私も初めて勉強したので分かりませんが、とても分かりやすい流れが書かれていました。

とはいえ、宗教改革に関することもきれいに整理されていますし、カトリック、オーソドックス、解放の神学やフェミニズム神学まで網羅されていて、大変勉強になりました!新興宗教についても割と中立の視点で書かれています。

やはりラテンアメリカ神学者のアドバンテージとして、ヨーロッパで行われた神学論争にも中立な立場に立っています。なので、ヨーロッパ圏の神学者が及びもつかないところ、なので(ヨーロッパ圏の神学書ばかり読んでいた)私も考えもつかなかった箇所を批判しているように思いました。私も歴史について学び始めたところなのでメインストリームは詳しくわかりませんが、植民地主義に対する欧米に対する痛烈な批判は、この方だからこそ書けたのではないかと思います。

とても良い本でした!この本は実は親しくしてくださる牧師の方から親切にも譲っていただいたものなので、これからも大事に読んでいこうと思います。